TOP > 受賞作品 > 第15回 ガールズノベルズ部門
歴代受賞作品
インフォメーション
応募総数
473作品
最終選考候補
8作品
選考委員
ビーズログ文庫編集部
総評
ビーズログ文庫編集部
ガールズノベルズ部門の開催も7回目となり、レーベルの特色やターゲット層を分析できている作品が多くなりました。さらに、ある程度のページでストーリーをまとめること、文章の読みやすさなど、技術的な面はかなり向上していると感じます。ただ、そのために書き手側の個性を犠牲にし、自らの可能性を縮める結果に。過去受賞作の研究をするあまり、キャラクターやストーリーまでもが既存作品と同じものになってしまっているものをいくつも見かけました。今回受賞した3作品は、その人にしか書けない何かがあるもの、もしくは出そうという気概が見られる、将来性を評価しました。
受賞作品
◆特別賞
『欺くして歌姫はかたる ~詩人が捧げる、恋する楽院の幻想曲~』
★作者:朝前みちる(あざき みちる)
プロフィール:羊年生まれの山羊座のAB型。千葉県在住。趣味は読書にゲームに音楽鑑賞と見事なインドア派。一時期コーラ中毒に陥っていた重度の炭酸好き。なにかあるとヤケ酒ならぬヤケ炭酸に走る傾向がある。
★受賞者コメント
このたびは過分な賞をいただき、ありがとうございます。最終選考残留のお電話をいただいた時は心臓が壊れそうになりました。励ましてくれた友人や家族、共に切磋琢磨し合った投稿仲間のみなさん、そして選考に携わっておられたすべての人に心から感謝しています。読んでくださる人に少しでも楽しんでもらえる作品をお届けできるよう、これから全力でがんばりますので、よろしくお願いします。
★作品内容
双神伝説が残るムジカ大陸には、歌で自然を操り魔物から人々を護る"楽師(カンダンテ)"がいる。中でもエルネスティーヌは超エリートの<歌姫>と誉れ高い力を持つが、ある日、魔物に魅入られ歌声を奪われてしまった! その上、反逆の嫌疑をかけられた彼女は、事件が解決する身を隠すべく、"楽師"を目指す者が通う聖フィディール音院に身分を偽って入学することに。すると、女楽生の憧れ・オリヴィエに「お前のような音痴は目障りだ、今すぐ退楽しろ」と脅されてしまう。怒りから 「彼を跪かせるまで諦めない!」と、失われた歌声を自力で取り戻そうとするエルネスティーヌだったが……!?
【選評】ビーズログ文庫編集部
恋と宿命と仲間と、女の子のトキメキを詰め込んだ作品。王国や人々を護るという大きな役目がありながら、いわゆる学園ものとして読みやすい舞台を選んだところがよかった。キャラクターが盛り込んだ設定にやや負けぎみなのが改善点。
◆特別賞
『狩兎町ハロウィンナイト』
★作者:木崎ちあき(きさき ちあき)
プロフィール:8月27日生まれ。福岡県出身。プロ野球が大好きだが、バッティングセンターや野球ゲームの中では空振りしてばかり。趣味は海外ドラマを観ることと、愛猫と一緒に昼寝をすること。好きな言葉は「頭カラッポの方が夢詰め込める」
★受賞者コメント
プロ志望届を出し続けて早10年、今年ダメだったら諦めて実家でも継ごうかなと思いつつ、育成枠でもいいから拾われますようにと祈りながら迎えたドラフト当日。なんとまさかの上位指名。野球でたとえるならば、今まさにそんな気分でございます。3割30本打つスラッガー作家にはなれずとも、代走や守備固めで常にチームに必要とされ、ファンの方々に末永く愛される選手のような作家を目指して努力していきたいと思います。
★作品内容
狩兎町の高校生・日下部陽太。幼い頃に両親を亡くした陽太は、叔父夫婦との生活に馴染めず、級友とも距離を置き、退屈な日々を送っていた。ある日の帰り道、陽太は化け物……吸血鬼となったクラスメイトに突如襲われる! 絶体絶命の危機に現われたのは、見知らぬ美青年。燕尾服に細いチョーカー……ただし腰には日本刀!? 「はじめまして、僕はブラッド」優雅にそう名乗った青年は、高らかに宣言する。「僕が何者かって? この狩兎町の平和を守る、正義のヒーローなのさ!」吸血鬼でありながら吸血鬼と戦うダークヒーロー・ブラッドと、彼に弟子入りすることになった陽太。やがて、陽太は亡くなった父のある秘密を知りことになり……!? 
【選評】ビーズログ文庫編集部
一見カテゴリーエラーと思える作品だが、展開のテンポの良さ、キャラクターの台詞や行動にセンスを感じられた。主人公の心情面など、取り方により好き嫌いが出るかもしれないところをうまく誘導できるとよい。
◆奨励賞
『お嬢様にしかできない職業~公爵様の婚活事情』
★作者:悠木美羽(ゆうき みう)
プロフィール:12月26日生まれのA型。中学生から執筆を始める。趣味は旅行。ヨーロッパ一周の旅に行くのが密かな夢。アフタヌーンティーでお茶をするのが1番安らぐとき。相棒は耳たれウサギのホーランドロップ。いつかわたしの作品を読んだ人に、本を読む面白さを知ってもらえるような小説を書きたいです。
★受賞者コメント
受賞の連絡をいただいたときは、心底驚きました。もうそろそろ投稿をあきらめようと考えていた矢先の受賞でした。わたしの稚拙な作品を読んでくださった編集部の皆様、受賞にたずさわってくださったすべての方々に心から御礼を申し上げます。これからは、元気な女の子が活躍するお話を書いていきたいです。基礎もわからない初心者ですが温かく見守っていただけたらと思います。
★作品内容
王太子の覚えもめでたいユーグスト公爵は、宮廷の人気者! 特別な相手もいない彼の人気はうなぎのぼりで、誰もがユーグストと話したがり、彼に声をかけられる日を待ち望んでいた、そんなある日。ユーグストは宮廷で背の低い金髪の少女とぶつかる。可憐な姿に目を奪われ、心をときめかせたユーグストだったが、彼女は彼を見ると一目散にその場を去ってしまった。名残惜しい気持ちのままユーグストは、そこで彼女が落としていったと思われる手帳を見つける。思わず中を見ると――自分の報告書(主に偏見的な女性関係)が連ねられていて……!? 
【選評】ビーズログ文庫編集部
普通の王宮ものでは脇キャラになりそうな公爵での視点の話が面白い。次の展開がわかるのに楽しめるテンポもあるが、後半乱雑になってしまったのが残念。もう一歩読者が想像しやすくなるくらいの書き込みもあるとよい。