TOP > 第16回えんため大賞受賞作家インタビュー:安歩 三改め 安歩みつる
第16回えんため大賞受賞作家インタビュー
第16回エンターブレインえんため大賞
小説部門 特別賞受賞
安歩 三改め 安歩みつる
『魚里高校ダンジョン部! 藻女神様と行く迷宮甲子園』
(※『魚里高校ダンジョン部! 藻女神様と行く、迷宮甲子園』より改題)
●プロフィール
西洋演劇の世界に魅せられ、日本を飛び出したのが10年前。舞台美術に翻訳にドラマツルグ、10年間色々とやったその後に、辿り着いたのはライトノベルの世界でした。演劇でも小説でも、表現することは楽しいです。

小説(orまんが)を書こうと思ったきっかけはなんですか?

元々私は書くよりも描く方が専門だったのですが、四年ほど前に戯曲翻訳のお仕事を頂いたのです。ドイツ語から日本語という不自由で窮屈な作業の中で、「ああ、言葉って本当に面白いなあ」って気づいたのですね。それで、「今度は自分の言葉で何かを生み出してみたいなあ」と。それが小説を書こうと思ったきっかけでした。

えんため大賞でデビューしたいと思われた理由を教えてください。
(ex.賞金が魅力的、出身作家が好きだったなど)

当時はレーベルごとの違いや傾向とか、あまり良く分かってはいなかったのですが、遊び心を理解してくれる所がいいなとは漠然と考えてはいたのです。それでインターネットで新人賞の一覧表を眺めていた時、「あっ、『ドキばく』に出て来るファミ通だ」と。それがえんため大賞に決めた理由でした。『ドキばく』に出て来るファミ通は遊び心の詰まった出版社でしたから。

今回の受賞作のアピールポイントはどこですか?
また、執筆・応募にあたって気をつけたことがあれば教えてください。

一番のアピールポイントはキャラクターです。男も女も、人間も人外も、一人一人血の通ったキャラクターとして物語で生きていられるように心がけて執筆しました。

受賞が決まったとき、また授賞式に出席したときのお気持ちを教えてください。

人生、本当に色々あるものだなあと。

将来、どういう作家になりたいと思っていますか?

読者の方に、「読んでよかった」と思ってもらえる作品を作り続けていきたいです。

最後に、これから作家を目指す方へひと言アドバイスを!

Im Theater ist alles möglich(劇場では何だって可能だ)
これは私がこれまで何度も励まされたドイツ演劇の合い言葉です。言葉の表面だけをとれば、「劇場では何をしてもいいんだ」と解釈されてしまう言葉です。しかし実態はその真逆で、劇場って本当に不便なのですよ。空間は狭いし、予算は少ない、意見は必ず衝突する。でも、だからこそ皆この言葉を呪文のように唱えるのです。どんなに不自由に思えても、それを解決する手段も必ずどこかに存在しているからです。だからこそ劇場では、「なんだって可能」なんです。小説も同じだと思うんです。小説を書いた経験のある方なら分かって頂けると思いますが、いい作品を作ろうと思えば思うほど、その何倍も不自由を感じてしまうものです。不自由のあまり投げ出してしまいそうになるかもしれません。でも、それを解決する手段も、やっぱりどこかに存在していると思うのです。いい作品を作ることを決して諦めず、大いに不自由を抱え込んで、とびきり自由な作品を作りましょう!